加熱をしない、というだけのこと。けれど、はじめる前に知っておいていただきたいことがいくつかあります。生食の考え方と、安心して続けるための方法をまとめました。
生食(ローフード)とは、その名のとおり加熱していない食材を与える食事のことです。特別な調理法ではなく、むしろ「何もしない」という選択に近いものです。
肉は熱を加えると、たんぱく質の構造が変わり、水分が抜け、熱に弱いビタミンや酵素の一部は失われます。加熱には殺菌という大きな利点がありますが、その代わりに素材が本来持っていたものも少しずつ姿を変えていきます。生食は、そこに手を加えないという考え方です。
犬は本来、肉を生のまま食べてきた動物です。人間と比べて胃酸が強く、腸が短いため、生の肉を消化する力を備えているといわれています。もちろん現代の家庭犬は環境も体質も一頭ごとに違いますから、すべての犬に生食が最適だと言い切れるものではありません。愛犬の様子を見ながら、合うかどうかを確かめていく——それが生食との正しい付き合い方だと私たちは考えています。
生食を続けている飼い主さんから、よく聞かれる変化です。効果には個体差があり、すべての犬に当てはまるものではありません。
加熱していない肉は、香りと水分がそのまま残っています。食が細くなってきた子が、生肉には反応したという声を多くいただきます。
生肉には約70%の水分が含まれます。ドライフード中心の食生活で不足しがちな水分を、食事から自然に摂ることができます。
消化しやすい形で摂れるためか、便の量や匂いが変わったという声があります。切り替え直後は便がゆるくなることもあります。
いきなり全部を切り替える必要はありません。1〜2週間かけて、いつものごはんに少しずつ混ぜていくのが安心です。
前日の夜に、1食分を冷凍庫から冷蔵庫へ。半日ほどかけて解凍します。常温での放置や、お湯での急速な解凍は避けてください。ドリップが出た場合は軽く切ってからお使いください。
最初の2〜3日は、いつものごはんに少量をトッピングする程度で。便の状態と食いつきを確認します。問題がなければ、少しずつ量を増やしていきます。
体重の2〜3%が1日の食事量の目安です。生肉は1食60gの小分けですので、この目安に合わせて食数で調整してください。全量を生食に切り替えるか、トッピングとして続けるかは、愛犬の体調に合わせて選んでいただけます。
切り替え期間は、便のかたさ・回数・匂い、そして体重の変化を見てあげてください。ゆるい状態が数日続くようなら、いったん量を戻してゆっくり進めます。
加熱しない食品ですので、人間が生肉を扱うときと同じ配慮が必要です。ここだけは、きちんと守っていただきたいことです。
※ 私たちの商品は、ヒューマングレードの食肉工場で人の食品と同じ衛生管理のもとで加工し、急速冷凍しています。それでも生肉である以上、細菌がゼロになるわけではありません。上記の取り扱いをお願いしています。
生食は万能ではありません。次のような場合は、はじめる前にかかりつけの獣医師にご相談ください。
※ 生食については、獣医学の分野でもさまざまな見解があります。細菌のリスクを重く見る立場もあれば、消化性や嗜好性を評価する立場もあります。私たちは生食を「絶対的に正しいもの」としてではなく、ひとつの選択肢としてご提案しています。愛犬の体質と、ご家庭の状況に合わせてお選びください。
※ また、当店の商品は総合栄養食ではありません。生肉のみを長期にわたって主食とする場合は、カルシウムをはじめとする栄養バランスの調整が必要になります。全量を生食に切り替える際は、獣医師や専門家にご相談のうえ、他の食材と組み合わせてお使いください。